幼児クラス

毎週火曜日の午前中、通所の子ども達を対象とした
幼児クラスがひらかれていた。
まず一時間目は、言葉の訓練を主体とした遊びの時間。
言語療法士(現在は言語聴覚士)のF先生、保母さん、
看護婦さん(看護士さん)の 3人が指導にあたってくれる。
参加者は障害児とその母親。6〜8人はいた。
セリカのクラスは今考えると重度障害の子が多く、
ささえがないと座れない子や言葉も出せない子が多かった。

子どもはイス、親はマットの上にすわり、まずはご挨拶。
「○○ちゃん○○ちゃんどこにいます?
こ〜こです、こ〜こです、ここにいま〜す〜♪」という
療育や幼稚園ではよく歌われる歌でみんなの名前をよんで、
子どもは(ほとんど親が)手をあげて答え部分を歌う。
それから体操。ハトポッポ体操の曲にあわせて簡単な体操をする。
これまた親が手足をもって動かす。
毎月決まっている歌も手をたたきながら歌い、
そのあとは順番に部屋に作られた障害コース をまわる。
高くなっているマットをのぼったり、すべったり、
平均台の横歩きも あった。
次にタンバリンにあわせて廊下でトランポリン。
ふらつきの大きいセリカは揺れているトランポリンに
ただすわっているのも難しかった。

それがおわったら、また部屋に戻りおもちゃで自由遊び。
夏には外に出て裸足で歩いたり(これはものすごくいやがった!)
プール遊びをすることもあった。
その間に2人ずつ(後には1人ずつ)、別室でF先生の訓練があり、
これは何週間かに一回順番がまわってきた。
この訓練はその子によって内容がちがうようで、
セリカは簡単なパズルをやったりしていた。
(ような気がする。うろ覚え・・)
別室に行っていた子が帰ってきたらおわりの挨拶。
「ころころたま〜ごは お〜りこ〜うさん♪」
というこれまた療育ではよくきく手遊び歌をした。

ころころたまごは・・両手をグーにして動かす
おりこうさん・・グーの左手をパーの右手でなでる
ころころしてたら・・両手をグーにして動かす
ひよこになった・・親指と人差し指中指をくっつけたりはなしたり
ピヨピヨひよこは・・同上
おりこうさん・・グーの左手をパーの右手でなでる
ピヨピヨしてたら・・親指と人差し指中指をくっつけたりはなしたり
コケコになった・・親指と全部の指をくっつけたりはなしたり
コケコケコケコは・・同上
おりこうさん・・グーの左手をパーの右手でなでる
コケコケしてたら・・親指と全部の指をくっつけたりはなしたり
夜があけた・・上から下までキラキラ星をするときみたいにして最後は
手をひざにぽんとおく


これも指の動きがむずかしく、
やはり親が手をそえてやっていたが、
最後の方には自分でできるようになった。
指をいわれたとおり動かすのも難しいし、
両手の動きを合わせるのもたいへんなことだった。

二時間目はPT室に移動して、主に運動機能の訓練をした。
リハ指導員のY先生、F先生が指導にあたってくれた。
その子にあわせて体を動かしたり、ボールの上にのせてもらったり、
ボールプールにはいってみたり、おもちゃで遊んだり、ウォーカーや
(訓練用の歩行器。これを購入しようかと真剣に考えたこともあったが
畳敷きの社宅では使う場所がないと断念。)
手押し車につながって歩く訓練をしたり・・といろいろ。
ブランコや階段もあったので、自由につかわせてもらっていた。
母たちはおしゃべりをして情報交換の場にしていた。
ここで知り合ったお母さんたちとは仲間意識もでき
その後も長いつきあいが続いた。

セリカが幼稚園に入園してからもしばらくは通っていたが、
幼稚園はできるだけ休ませたくないと思ったので
先生に個人レッスンにきりかえてもらえないかと頼んでみた。
同じクラスにいた子はみな小学校(みんな養護学校)に入り、
年下の子もふえてきていた。
歌や体操も上手にできるように なってきていたし、
友達とのふれあいなら幼稚園で体験できると思ったからだ。
幸いF先生の訓練時間に空きがあり、2週間に一回、
言語訓練にかようことになった。(平成7年5月から)
さらにその後、小児科医S先生(前述のS先生とは別)の診察後、
運動機能の訓練、理学療法もうけるようにと言われ、
通っていた。(同年12月から)

1日保育

この他にセンターの保母さんにすすめられて、
幼稚園入園前に、毎週水曜日の1日保育に半年間通った。
(平成6年10月〜3月)
朝、センターに連れて行って、そこで子どもをおいて親は帰る。
子どもは入所の子たちといっしょにいろんなことをして、
給食もいただいて
3時にまたお迎え、というシステムだ。
今までとにかく私とべったりだったセリカは・・泣いた。
担当の保母さんが書いてくれる通信には
今日の様子が書いてあり、
最初のころは午後までめそめそしていたらしい。
そのうち慣れてきたが、
やはり笑顔をふりまくというところまではいかず、
それでもセンターで作った工作や折り紙、お絵かきなんかを
持って帰って みせてくれるようになった。
この1日保育のおかげで、幼稚園に入園したあとに、
すっと親離れができ 泣かずにすんだのだと思う。
良い体験をさせてもらったと感謝している。

その他、6月にはあじさいフェスティバル
12月にはクリスマス会、
通所のお母さん方を対象にした勉強会もあった。

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